茨城県北茨城市の茨城百景に選ばれる「五浦海岸」(“いづらかいがん”と読みます。)のおすすめ観光スポット紹介します。
5つの入り江と断崖絶壁が連なるこの海岸は、日本近代美術の礎を築いた岡倉天心が晩年を過ごした地で六角堂や天心記念五浦美術館などの歴史あるスポットがある場所です。
のんびりと景色や美術・温泉・グルメを楽しむことができる、大人旅にぴったりな五浦海岸の観光スポットを紹介しますよ!
老舗のホテルがとってもおすすめなので、ぜひチェックしてみてください。
五浦海岸の観光おすすめスポット!六角堂から絶景の老舗ホテルを紹介
五浦海岸(いづらかいがん)は、茨城県最北端の北茨城市にある海岸です。
五浦海岸
五浦海岸は環境省の「残したい日本の音風景100選」にも認定されている海岸です。
ぜひ波の音にもよく耳を澄ませてみてください。
太平洋の荒波に侵食されできた大小5つの入江が連なり、高さ50mの断崖絶壁が続く。岡倉天心が愛した地として知られ「日本の渚百選」にも選ばれている。2014年3月には「岡倉天心旧宅・庭園および大五浦・小五浦」が国の登録記念物(名勝地・遺跡関係)に選定された。
五つの浦が開け、太平洋の白波が砕け散るその雄大な姿は訪れる人々に深い感銘を与えます。日本の音風景100選、日本の渚100選に選定されています。引用:北茨城市観光協会
断崖に打ち寄せる波の音。そして心地よく吹く海風。これは絶対に感じて欲しいですね。
茨城県民の私も大洗の海水浴場とかしか知らなかったので、同じ海でもこんなに違うのかと実感しました。
五浦という地域は、その昔、日本近代美術のメッカとして多くの旅人に親しまれていたそうです。
その中でも、日本美術の発展に大きく貢献した岡倉天心が、海を眺めながら思索にふけった“六角堂”や横山大観画伯の別荘など多くの遺跡が「日本近代美術発祥の地」としての現代に伝えられています。
岡倉天心(1863-1913)は、急激な西洋化の荒波が押し寄せた明治という時代の中で、日本の伝統美術の優れた価値を認め、美術行政家、美術運動家として近代日本美術の発展に大きな功績を残しました。引用:茨城県天心記念五浦美術館
岡倉天心は、海外へ日本美術を発信する活動も積極的に行い、晩年はこの五浦で思索と静養をしながら、横山大観など作家の指導もして過ごしたそうです。
五浦海岸の駐車場
駐車場に車を停めて海岸を見る場合は、五浦岬公園駐車場・六角堂無料駐車場・市営五浦無料駐車場があります。
周辺のスポットを観光するなら、この辺りの駐車場を利用するのがおすすめです。
市営五浦無料駐車場はトイレも設置されています。
五浦海岸の観光「六角堂」復興のシンボル
五浦海岸の1番の観光名所が『六角堂』。太平洋に突き出した岩の上にある六角形のお堂です。
このお堂で晩年を過ごした岡倉天心について解説。
岡倉天心(1863~1913)
横浜の本町5丁目(現・本町1丁目、横浜開港記念会館付近)に生まれる。福井藩出身の武家で、1871年に家族で東京に移転。東京美術学校(現・東京藝術大学の前身の一つ)の設立に大きく貢献し、のち日本美術院を創設した。近代日本における美術史学研究の開拓者で、英文による著作での美術史家、美術評論家としての活動、美術家の養成、ボストン美術館中国・日本美術部長といった多岐に亘る啓蒙活動を行い、明治以降における日本美術概念の成立に寄与した。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/岡倉天心
時代をリードしていた岡倉天心ですが、西洋を追いかける近代化に疑問を持つようになったそうです。
“伝統を受け継ぎ、自然一体となった生活の中でこそ生まれる芸術がある”と日本美術の新たな道を切り拓こうとしました。
国際的視野に立って華々しく活躍した人物であり、「岡倉天心がいなければ日本の近代美術の発展はなかった」と言われるほど凄い方なんです。
太平洋が広がる岸壁すぐそばの「六角堂」。
天心が1905年(明治38年)に[10]自らの居宅から1段下った断崖に建設した[12]もので、太平洋に突き出した岩上に建つ朱塗りの建物である[13]。天心邸敷地内で最も眺望の優れた地に建つ[8]。
天心自身は観瀾亭(かんらんてい)と呼んでいた[5]。ここで天心は太平洋の波の音を聞きながら、思索にふけったという[14]。天心亡き後は、天心の遺族や岡倉天心偉績顕彰会を経て、茨城大学の管理となった[15]。創建から現在に至るまで、日本の美術界において一種の聖地としての役割を果たしてきた[16]。
天心は岩に打ち付ける荒波を眺めながら、彼は思索にふけっていたのですね。独自の日本文明論を記した『茶の本』の構想もここで練られたそうです。
実はこの六角堂、2011年の東日本大震災の津波によりお堂の基礎以外は流失してしまいました。2012年に再建され、北茨城市の震災復興のシンボルにもなっています。
茨城大学を中心に「天心・六角堂復興プロジェクト」による懸命な調査から創建当時の姿で蘇えりました。
建物内は中に入ることはできません。
覗いてみると室内は意外と小さく、窓が大きいので、目の前に広がる海がよく見えて、海の上にいるような気分にも。
この風景は、時間を忘れて見入ってしまいます!
六角堂のライトアップ
現在、六角堂では日没から夜21時までライトアップも行われています。夜の海に浮かぶ感じの光に照らされた姿も見に行かれてはいかがでしょうか。
施設名称 六角堂
所在地 〒319-1703 茨城県北茨城市大津町五浦727-2
TEL 0293-46-0766
駐車場 15台・無料
営業時間 8:30~17:30(10・2・3月は17:00/11月~1月は16:30)
定休日 月曜日
料金 400円 中学生以下無料
※ 最新の料金等は各施設にお問い合わせください。
五浦海岸の観光おすすめ「茨城大学五浦美術文化研究所」
六角堂や天心邸、天心遺跡などは五浦海岸にある「茨城大学五浦美術文化研究所」で管理されており誰でも見学をすることができます。
天心の遺族、岡倉天心偉績顕彰会から引き継がれて、それ以来64年もの間に渡り天心遺跡を守っています。(日本美術などの研究も行われていますよ。)
研究所の中に入ると天心邸があり、質素だけどセンスのある雰囲気と静かな佇まいをしています。
さらに進み波の音が近くなってくると、太平洋に突き出した岩の上に見えてくるのが六角堂です。
施設情報
施設名称 茨城大学五浦美術文化研究所
所在地 茨城県北茨城市大津町五浦727-2
開館時間 8:30~17:30(10月、2月、3月は17:00まで・11月~1月は16:30)
休館日 月曜(祝日の場合は開館、その翌日が休館)、年末年始
入館料 300円、中学生以下無料
公式HP http://rokkakudo.izura.ibaraki.ac.jp/
五浦海岸の観光スポット「五浦岬公園」
五浦岬公園には展望台、東日本大震災の慰霊碑などがあり、園内は散策路が整備され絶景のビュースポットにもなっています。
ベンチ、休憩所もあるのでのんびりと過ごすお散歩コースにもおすすめです。
展望台からは、六角堂、太平洋越しに崖の上に立つホテルが望めます。
赤い六角堂と岩に打ち付ける波。そして松林。その向こうに見える崖。
日本画のような景色と言われていて、その景色に美しさを感じました。こういった良さを感じられるのも大人になった証拠なのかもしれません。
映画「天心」のロケセット
公園は広いので、岡倉天心をモデルにした映画「天心」の撮影に使われたロケセットもあります。
1906年(明治39年)、天心によってこの地に移された「日本美術院」を模したものだそうです。
この「日本美術院」は天心とともに五浦に移住した、横山大観、菱田春草、下村観山、木村武山がここで画業に精進し多くの作品を生み出しました。
彼らは東京と決別し、断崖絶壁を前に鬼気迫る姿でひたすら絵に打ち込んだそうです。「まるで修行僧のように決死の覚悟で絵画に精進し、近代日本美術を切り拓いた。」
そんなことを知ると、この五浦の絶景もただ美しいという感覚だけでなく、緊張感なども感じるのではないでしょうか。
岡倉天心らの崇高な闘いに思いを馳せる時間になりますよ。
施設情報
施設名称 五浦岬公園
所在地 茨城県北茨城市大津町五浦
TEL 0293-43-1111
休館日 無休
入館料 無料
五浦海岸の観光スポット:茨城県天心記念五浦美術館
「天心記念五浦美術館」は、岡倉天心、横山大観をはじめとする五浦の作家たちの優れた作品が鑑賞できる美術館。
明治39年に日本美術院第一部が移転し、岡倉天心や五浦の作家たちが活躍しました歴史的な地!
天心記念五浦美術館では、六角堂などを散策した後に美術鑑賞も楽しむことができます。
カフェテリアも併設されているのでランチや休憩にもおすすめです。
グラスワインとかもあるので、大人旅ならここで優雅に過ごすのもありですよね!
入館料はとっても良心的なのに、さらに公式ホームページでは割引券を発行することができるので行かれる方は要チェックですよ!
施設情報
施設名称 天心記念五浦美術館
所在地 茨城県北茨城市大津町椿2083
TEL 0293-46-5311
開館時間 9:00~17:00(10月~3月まで9:30開館)
休館日 無休
入館料 大人190円、70歳以上90円、高校生120円、小中学生80円
公式サイト tenshin.museum.ibk.ed.jp
五浦海岸近くで宿泊するなら「五浦観光ホテル別館 大観荘」
五浦海岸、六角堂、五浦岬公園などの絶景を堪能したら、宿泊は老舗の「五浦観光ホテル別館 大観荘」がおすすめです。
場所は崖の上で、五浦岬公園の展望台から見えた崖の上のホテルです。このホテルも絶景を味わうための宿!と言っても良いかも。
研究所入口の「長屋門」から歩いてわずか1分で到着してしまう距離にあります。
出典:楽天トラベル上品で重厚感のあるエントランスがお出迎え。
こちらの五浦観光ホテル別館 大観荘は、日本画の大家である横山大観の旧別荘跡地に建てられています。
大観荘という名前も納得ですね。
出典:楽天トラベルチェックインしてロビーで一休みしても海は見えるし、華やかで和なテイストでデザインされた空間はワンランク上のラグジュアリーな気分を堪能できるでしょう。
美しいディスプレイ、さりげなく生けてある花など館内には細やかな心遣いが感じられます。
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宿泊者限定に抹茶とお茶を楽しめるウェルカムサービスも提供されているのでホッと一息つけますよ!
絶景づくしなホテル!
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こちらのホテルで何がおすすめかって、さまざまな場所からオーシャンビューが楽しめるところ。
海側のお部屋は目の前に大海原が広がっているし、4階の大広間の窓からは、六角堂と岩山、老松!
ベストポジションで見られる景色は本当に美しい!
ホテル館内の色んな窓から景色を楽しむことができます。
8階には「大観記念館」があり、筆や絵皿といった大観の愛用品が展示されています。(こちらは希望に応じて公開している模様。フロントでお問い合わせください。)
五浦の味覚と客室
出典:楽天トラベル客室は和室だけでなく、ベッドのお部屋もありました。
客室からの景色も素敵です。
出典:楽天トラベル客室の窓からは松林と海が見渡せます。
ホテルでいただける食事は季節によって変わりますが、五浦の味覚を堪能することができます。
海鮮が美味しいと口コミでも評判です!
秋から冬にかけては茨城名物「あんこう鍋」などアンコウ料理もおすすめです。
プランやお食事、お部屋の様子などはこちらからもチェックできます。
露天風呂からの絶景も
出典:楽天トラベル「大観の湯」は源泉掛け流しの天然温泉です。お風呂までの渡り廊下は風情もあって、「旅行に来た!」という気分も高まるでしょう。
女性の大浴場ですが、ガラス張りで外にも出られるようになっています。
もちろん目の前には雄大に広がる海!気持ちよくないはずがない!朝日、青空の下、夕暮れ、月明かり、どの時間でも格別な景色が楽しめそう。
ちなみに温泉の効能としては、疲労回復、冷え性、神経痛などに期待ができるようです。
大浴場の手前には、テラスと湯上り処があります。お風呂上りの一時をこちらで過ごせるのも良いですね。
本当に館内の心遣いが行き届いた設備とサービスに感心!貸切露天風呂もあります。家族、カップルでお楽しみいただけますね。
朝はぜひ早起きして、日が昇る絶景も堪能してはいかがでしょうか。
宿泊しなくても絶景が楽しめる
出典:楽天トラベル温泉は日帰りでも利用可能です!
お風呂からの絶景、宿泊しなくても日帰りでの利用もできちゃいます!「昼食+入浴セットプラン」もあるようです。
さすが老舗ホテルだなとつくづく思う宿!女性の大人旅に絶対おすすめです。
楽天トラベルからならお得に宿泊できるクーポンが配信中ですよ!↓コチラからチェックもできます。
基本情報
五浦観光ホテル 別館大観荘
所在地 茨城県北茨城市大津町722
宿泊・日帰りプランあり
五浦海岸の周辺観光スポット
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まとめ
茨城の最北端にある北茨城市。
ここには日本美術を守った画家たちの魂を感じられる素敵な絶景を堪能できるスポットがたくさんあります。
大人の旅だからこそ、景色や歴史、美術に触れるのもいいですよね。
ぜひ五浦観光ホテル別館 大観荘にも訪れて、景色や五浦の味覚も楽しんでみてください!