茨城県笠間市にある佐白山 正福寺(しょうふくじ)を紹介します。
坂東三十三観音巡りの第23番札所としても知られていますが、「御朱印」も注目されているお寺です。
その御朱印の種類は驚くほどの数!県内で最も多いと思います。
笠間市の歴史あるお寺。正福寺は「笠間稲荷神社」など観光に向いている場所でもあるのであわせて参拝してみましょう。
【佐白山正福寺】御朱印の種類は県内一!坂東三十三観音23番札所(茨城県笠間市)
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佐白山 正福寺(しょうふくじ)は坂東三十三観音の23番札所。関東百八地蔵尊59番札所でもあります。
そして、御朱印めぐりをされている方の間では、県内で最も多く御朱印の種類があるお寺として知られています。
まずはお寺の概要から。
- 御本尊:十一面千手観世音菩薩
- 宗派:真言宗豊山派
- 山号:佐白山
- 寺号:正福寺
- 創建:白雉二年(651年)
- 御詠歌:夢の世に ねむりもさむる 佐白山 たえなる法や ひびく松風
- 開基:粒浦氏
正福寺は笠間市の笠間に位置する真言宗の寺院です。
ご本尊は平安時代末期に運慶派によって彫られたといわれています。
お寺の御由緒
この寺は、縁起などによると651年猟師の粒浦氏によって創建されたと伝えられ、当初山号は三白山と号した。1214年笠間氏の焼き討ちにあい焼失したが、その後笠間氏の帰依を得て笠間城内に再建され現在の山号に改められた。その後笠間氏の衰退とともに寺運も衰えた。 1590年宥明によって再興され勝福寺と改められたが、江戸時代に入り1686年に正福寺となった。 明治初年の神仏分離に伴う廃仏毀釈により焼失して衰微し、本尊をはじめとする仏像などは散逸してしまったが、1930年現在地に仮の本堂が建てられた。その後、寺号を観世音寺と称した時期もあったが、2012年に正福寺に改称された。※Wikipediaより引用
白雉2年(651)の創立。孝徳天皇の勅願寺であったそうです。
神様のお使いの三匹の白い動物(白馬、白鹿、白雉)が守っていた霊木に千手観音を刻んだので山号を佐白山(三白山)と称されました。
そして「三白山」が佐白山に改められたのは、初代笠間城主の笠間時朝(ときとも)がご本尊の十一面千手観世音菩薩のご利益によって助けられたことに由来していると伝えられています。
正福寺のご本尊は代々の笠間城主を守ってきたことから「身代わり観音」ともいわれています。
平成24年より「佐白山(さしろさん)正福寺」に改められました。
平安時代は関東有数の霊場でしたが建保2年(1214)に宇都宮氏の一族である時朝が焼き討ちし、時朝は笠間城を築城。
時朝はその後僧侶の亡霊に悩まされ、観音堂を再建したと言われています。
YouTubeで「佐白山」と検索すると9割が心霊スポットの動画でした(汗)佐白山に亡霊が出ると言われているのは、このお話が元になっているのかなとも考えられますね。
ちょっと脱線しましたが、明治時代には廃仏毀釈により焼失。昭和になって復興したという興亡の歴史を繰り返してきたお寺です。
佐白山正福寺の御朱印
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正福寺の御朱印は種類がとても豊富なことでも知られています。
ここまで多いところはなかなか少ないのではないでしょうか。知る限りでは見たことがありません。
期間限定でいただける御朱印も人気です。
- 坂東三十三観音(千手観音)の御朱印
- 御詠歌の御朱印
- 月替わり御朱印(金泥・銀泥)
- 延命地蔵尊の御朱印(関東108地蔵尊霊場の第59番札所)
- えんむすび観音の御朱印
- 坂東三十三の「御朱印用白衣」にいただける御朱印、他
通常の坂東三十三観音の御朱印は、御本尊「千手観世音」と大きく墨書きされています。通常の御朱印の他に、月替わりの金の御朱印、銀の御朱印があります。
誕生日や七夕など特別な御朱印も用意されています。
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例えば足を運ぶことができなかった場合でも、月替わりの御朱印で残っているものなら、さかのぼっていただくことも可能です。(インターネットでも受け付けされていますよ!)
御朱印は本堂の右手にある授与所にて張り出されています。
公式サイトでも確認できるので、希望する御朱印を事前にチェックしておくと良いでしょう。
御朱印料は一律ではありません。
通常版は300円ですが、金銀の書き込みは平日800円、土日は500円と変則的です。(ネット経由は500円)
こんなに正福寺で月替わりの授与品をはじめられたのは2018年。参拝者の方に喜んでいただけるように始めたそうです。
その御朱印からは心を込めて作られている気持ちが伝わってきます。
オリジナル御朱印帳
正福寺のオリジナル御朱印帳も用意されています。イラストレーターの田中ひろみさんとコラボしている御朱印帳です。
期間限定もあるので公式ページの授与品でチェックしてみてください!
坂東三十三観音専用の御朱印帳もありますよ。
坂東三十三観音専用の御影帳はこちら。
御朱印がいただける時間
御朱印がいただける受付時間は、時期によって時間が異なります。
- 4月~10月 8:00~17:00
- 11月~3月 9:00~16:00
※12:00~13:00は昼休み
御朱印や御朱印帳は郵送でも対応されています。
正福寺の公式サイトが通販ページはこちら
遠方で参拝に伺うことができない方、参拝が困難な方のために公式サイトにて通販で御朱印をいただくこともできます。
佐白山 正福寺のご利益
千手観音さまのご利益は「諸願円満」。
近年では、正福寺にお参りすると願いが速く成就すると言われ、「縁結び観音」とも呼ばれているそうです。
お寺の入り口には山門はなく「えんむすび観音」の赤い旗があるのも特徴です。
そのご縁は結婚の縁結びだけではなく、恋愛、お仕事、進学など幅広い人間関係の縁を結んでくれる仏様として人気があります。
「仏さまは、熱心にお参りされる方に功徳を多くもたらしてくれる」と公式サイトでも伝えられています。
佐白山 正福寺境内の様子
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駐車場を出るとすぐに参道が見えてきます。ちょっと険しい道なのかな?と思いますが、足元は整備されており歩きやすくなっていました。
お寺の入り口には「えんむすび観音」と書かれた赤い旗が並んでいます。
木々に囲まれた中にある丸太の階段が本堂へと続く道です。
参道の途中には立派なヤマザクラが。石碑には「母の桜」と。先代のご住職が命名されたそうです。
階段を少し登ったところには、さらに立派な「父の桜」もありますよ!
春には見事に咲き誇るのでしょう。
階段を上りきると左側に手水舎があります。(センサーがついている手水舎なので、人が近づくと自動的に水が流れるようになっている)
祠で祀られる「開運龍頭観音」も近づくとライトアップされて姿が見えるようになっていてちょっと仕掛けが面白い。
佐白山正福寺の本堂
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本堂内は拝観料200円を払うと入ることができ、ご本尊や寺宝などの説明を聞かせていただくこともできます。
御本尊の千手観音は公開されていません。
本堂の左手前には馬頭観音。
馬頭観音の隣は階段になっていて、階段の先は現在はありませんが、過去に梵鐘があった場所があります。
本堂の右側に見えるが授与所です。こちらでお守りや御朱印をいただけます。
- 11月~3月/9:00~16:00
- 4月~10月/8:00~17:00
※12時~13時は昼休み
正福寺の別名「つつじ寺」
佐白山には「笠間つつじ公園」があります。
正福寺は「つつじ寺」とも呼ばれ、お寺の裏側からもつつじが見られるのですが、参拝後につつじ公園へも足を運んでみてはいかがでしょうか。
山頂付近にも身代わり観音が安置され、美しいつつじと景色に癒されるところなのでおすすめです。
つつじが見頃となるゴールデンウィークには、笠間芸術の森公園で一大イベント陶器市「陶炎祭(ひまつり)」なども行われているので、かなりの人で笠間市内が賑わっています。
笠間稲荷神社では樹齢400年にも及ぶの二株の藤も咲いて見頃に。
秋には紅葉も美しい!
正福寺で配信されている動画です。
佐白山 正福寺のアクセス・駐車場情報
車の場合のアクセス方法は、北関東自動車道の友部ICより約10分。笠間西ICより約15分。常磐自動車道の岩間ICより約25分です。
駐車場は入口の道路挟んだ反対側にある「公営笠間稲荷駐車場」を利用しましょう。無料で利用可能です。
公共交通機関でアクセスする場合は、JR水戸線 笠間駅よりタクシーで約3分。(徒歩で約25分)
かさま観光周遊バスの場合は、「日動美術館」にて下車し徒歩5分です。
かさま観光周遊バスについては以下の公式ページでご確認いただけます。
公営駐車場は、お手洗いや観光案内所が完備されており、笠間稲荷神社にも近いので、観光にも便利な駐車場です。
笠間稲荷は歩いて数分なので、ぜひ合わせてお参りしてみてください。
佐白山 正福寺 | |
住所 | 茨城県笠間市笠間1056-1 |
電話番号 | 0296-72-1332 |
開門時間 | 24時間参拝可能 |
御朱印受付時間 | 4月~10月 8:00~17:00 11月~3月 9:00~16:00 ※12:00~13:00は昼休み |
駐車場 | 無料駐車場あり |
公式サイト | https://shouhukuji.net/ |
※周辺は暗いので夜間の参拝はなるべく控えましょう
茨城県の坂東三十三観音巡り
坂東三十三観音巡りは、鎌倉時代初期に開設されました。
鎌倉を出発地に関東7県(神奈川県・埼玉県・東京都・群馬県・栃木県・茨城県・千葉県)各地に33ヶ所、約1300㎞にも及ぶ道程で札所があります。
車もない、整備された道もなかった時代は、困難を極めたに違いないでしょう。茨城県には坂東三十三観音の最大の難所と言われる「日輪寺」を含む札所がありますからね。
茨城県内の坂東三十三観音札所は全部で6か所です。
- 第21番 八溝山 日輪寺
- 第22番 妙福山 佐竹寺(北向観音)
- 第23番 佐白山 正福寺
- 第24番 雨引山 楽法寺(雨引観音)
- 第25番 筑波山 大御堂
- 第26番 南明山 清瀧寺
こちらのルートガイドも参考になります。
第21番 八溝山 日輪寺
坂東三十三観音21番札所「日輪寺」は、最大の難所と呼ばれています。
茨城県大子町の八溝山に佇むお寺なので、ハイキングコースを歩きながら目指したり、現在は近くまで車でアクセスすることも可能です。
現在のように道が整備されておらず、車が無かった時代を考えると…相当大変だったでしょうね。
第21番 八溝山 日輪寺 | |
住所 | 茨城県久慈郡大子町大字上野宮2134 |
電話 | 029-577-0552 |
納経時間 | (夏)8:00~16:30 (冬)9:00~16:00 1月~2月 雪で登山不能閉山 |
アクセス | 那珂ICから約2時間(約70km) |
第22番 妙福山 佐竹寺(北向観音)
妙福山 佐竹寺(北向観音)は、戦国武将の佐竹氏とともに歩んだお寺。
日輪寺がある大子町の隣の常陸太田市にあるので、竜神峡・竜神大吊橋などの観光も兼ねてお参りすることができます。
第22番 妙福山 佐竹寺(北向観音) | |
住所 | 茨城県常陸太田市天神林町2404 |
電話 | 0294-72-2078 |
納経時間 | (4月~10月)9:00~16:30 (11月~3月)9:00~16:00 |
アクセス | 日立南太田ICから約20分(約9.5km) |
第24番 雨引山 楽法寺(雨引観音)
茨城県桜川市の雨引山 楽法寺(雨引観音)は、安産のお寺としても知られ、春には桜、6月には紫陽花の名所としても有名なお寺です。
第24番 雨引山 楽法寺(雨引観音) | |
住所 | 茨城県桜川市本木1 |
電話 | 0296-58-5009 |
納経時間 | 8:30~17:00 |
アクセス | 桜川筑西ICから約15分(約8km) |
第25番 筑波山 大御堂
日本百名山のひとつである茨城県つくば市の筑波山。山の中腹から関東平野が一望できる場所に位置するお寺が筑波山大御堂。
第25番 筑波山 大御堂 | |
住所 | 茨城県つくば市筑波748 |
電話 | 029-866-0126 |
納経時間 | (夏)8:00〜17:00 (冬)9:00〜16:00 |
アクセス | 土浦北ICから約40分(約20km) |
第26番 南明山 清瀧寺
茨城県土浦市にある「南明山 清瀧寺」。
第26番 南明山 清瀧寺 | |
住所 | 茨城県土浦市大字小野1151 |
電話 | 029-862-4576 |
納経時間 | (夏)8:00〜17:00 (冬)9:00〜16:00 |
アクセス | 土浦北ICから約10分(約5km)第26番 南明山 清瀧寺 |
笠間市の神社・寺院めぐり
茨城県笠間市は歴史と文化が色濃く残る街。
日本三大稲荷と言われる「笠間稲荷神社」をはじめ、常陸国出雲大社・三所神社・八坂神社・愛宕神社・大井神社・金剛寺・鳳台院・羽梨山神社などがあります。
>>【笠間稲荷神社】御朱印は2種類ある?境内の建物・狐や藤棚を現地レポート
>>常陸国出雲大社の御朱印と御朱印帳!参拝してきた現地レポート
笠間観光と合わせて、歴史ある神社やお寺にお参りに行ってみませんか?
茨城県内の神社仏閣についてはこちらのページでも紹介しています。
まとめ
茨城県内の神社やお寺めぐりをされている方も、坂東三十三観音巡りを茨城県笠間市の正福寺からしてみてはいかがでしょうか。
県内のお寺めぐりをしていると意外と深い歴史を知ることができたりするので面白いですよ!