茨城県日立市にある大甕神社(おおみかじんじゃ)は、昔からパワースポットとして人気のある神社でした。
数年前に大ヒットした映画「君の名は。」のスピンオフ小説にも登場したことでも注目された場所です。
また御朱印集めをしている方にもおすすめで、御朱印には種類があり、月ごとに変わる御朱印帳も人気です。
日立市の大甕神社は、織物の神様と星の神様が祀られていることも珍しいのですが、ちょっと他ではあまり見られない境内の特徴が非常に面白い神社ですよ。
「君の名は。」がファンタジーで神秘的な映画でもあったので、大甕神社にも同じような空気感を感じてしまう!
現地レポートをしながら、見どころや御朱印、アクセスと駐車場情報までまとめて紹介します。
【大甕神社】星の神様が封印される日立市のパワースポットで御朱印めぐり
茨城県日立市大みか町にある「大甕神社」は、正式名称が大甕倭文(おおみかしず)神宮と言います。
創建は紀元前660年とかなり歴史のある神社です。
- 正式名称:大甕倭文(おおみかしず)神宮
- 御祭神:武葉槌命(たけはつちのみこと)
- 地主神:甕星香々背男(みかほしかかせお)
- 御利益:国家鎮護など
- 創建:皇紀元年(紀元前660年)
- 例大祭日:5月5日
御由緒
創建は社伝によれば皇紀元年(紀元前660年)。最初は大甕山山上に祀られたが、元禄8年水戸藩主徳川光圀の命により甕星香々背男の磐座、宿魂石上の現在の地に遷座され、久慈、南高野、石名坂三村の鎮守とされた。この際に除地5石6斗8升6合の寄進を受けている。引用:wikipedia
御祭神の武葉槌命は、“健葉槌命”という漢字で表記されたり、天羽槌雄神(あめのはづちのおのかみ)、倭文神(しずのかみ・しとりのかみ)とも呼ばれ、「織物の神様」と言われています。
甕星香々背男は別名、天津甕星(あまつみかぼし)、天香香背男(あめのかがせお)、星神香香背男(ほしのかがせお)と呼ばれる「星の神様」です。
(大甕神社では「武葉槌命」、「甕星香々背男」と記載されているので、この記事ではこの名称で統一します。)
那珂市の常陸国二ノ宮 静神社は、健葉槌命をご祭神として祀られています。
「君の名は。」のスピンオフ小説で登場した神社
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大ヒット映画「君の名は。」では、ヒロインの三葉の実家も神社でしたよね。
映画の中では描かれてはいませんが、実家の宮水神社が祀っていたのもこの二柱だったそうです。
映画しか見ていないと分からないのですが、同じ御祭神を祀る大甕神社は「君の名は。」ともつながりがある神社です。
それは「君の名は。」のスピンオフ小説で描かれています。
「君の名は。Another Side:Earthbound」の中では、三葉が産まれる前に母の二葉、父の俊樹との出会いが描かれています。
そこに登場するのが「大甕神社」です。
よかったら読んでみてください!
大甕神社の境内・大鳥居
大甕神社はまず大きな鳥居をくぐります。
鳥居の左側には寄り添う二人の形をした石像がありました。(説明がなかったので正体が分かりません)
同じ日立市の諏訪神社に伝わる民話「万年大夫」と関係があるのでしょうか?
右側には手水舎があり、さらに参道を進んでいくと拝殿が見えてきます。
大甕神社の拝殿
大甕神社の歴史を感じる拝殿です。渋い!
拝殿の手前には狛犬以外にもカエル、ドラえもん、ピカチュウ?などの石像が置いてあります。
狛犬だけじゃなくて、いろんな石像がいるということいちょっと驚き!
出展:大甕神社
拝殿の右側には隣にあるのは稲荷社。
右側には階段があり本殿方面へ登って行くことができます。(神輿殿や八坂神社があります。)
さらに先へと進むと天満神社。そしてその先には儀式殿へと進んでいくことができます。
その隣に大杉神社があります。
(社務所を兼ねている儀式殿が一番立派でデカいです!)
大甕神社の宿魂石!本殿までロッククライミング?
奥へ向かうと本殿らしき建物が見えるのですが、その横に「御本殿参道」の看板があって、さらにその右に「宿魂石」という大きな石が見えます。
「宿魂石(しゅくこんせき)」は大杉神社の手前です。
わぁ、写真だと大事なところが見切れてる!!「宿魂石」と文字が彫ってある石が見えますか?
宿魂石は文字が書かれている石だけではありません。先に続くこの岩山の道全てを指しています。
そう、この岩山全体が宿魂石です!
石段があるのは最初だけ!御本殿へはこの岩山を登っていきます。
この岩山全体に甕星香々背男の霊力が封じ込められているのですね。
この岩山は日本最古らしいですよ。カンブリア紀層の地層なんですって!約5億年前!
封じ込められている場所を登って行くことにも驚きですし、約5分くらいロッククライミング気分を味わえるという(笑)
下から撮影した写真だとすごい高そうですが、登りやすいように鎖があるし、そんなに高くありませんでした。
5分程度ですが、なかなかハードなので要注意。
ご覧の通り、足元が不安定なのでヒールなどで歩くのは危険です。(歩きやすい靴で行くのがおすすめです!)
ヒールとか履いてきてしまったときは、あまり無理をしないようにしましょう。
「宿魂石」に甕星香々背男の霊力が封じ込められたときの話が、興味深いので紹介しますね!
「宿魂石」に封じ込められた星の神様!やっぱり昔から女は強し
神社の由緒によると、この辺り一帯を管理していたのが鹿島の武甕槌命(タケミカヅチ)、香取の経津主神(フツヌシ神)の二神でした。
二神は、日本のオオクニヌシから国譲りの約束を取り付けた神様なので、日本神話最強の武神、勝利の神様と呼ばれていました。
そんな最強と呼ばれた二神がなかなか征服することができなかった神がいるんです!
それが「甕星香々背男」。
その二神に変わって宿魂石に封印したのが、御祭神である「健葉槌命」です。(えっ、織物の神様で女性なのにそんな強い?)
唯一の悪しき神を封印できたのはなぜ?
地主神の甕星香々背男は、日本書紀のみに登場していて、唯一「悪神」と呼ばれていた神様でした。
すごい暴れん坊だったそうです。
二神が抑えられなかった猛々しい神様なんですが、武葉槌命が天津甕星の荒魂を岩山に封じ込んだんですって!
茨城の民話WEBアーカイブでは、「甕星香々背男が自分の姿を大きな岩に変えて抵抗し、二神どころか高天原の神様たちも困っていたところ、建葉槌命が鎧兜で登場!巨大な岩を金の沓で思いきり蹴とばしてその岩を割った。」とも伝えられています。
織物の神様が悪しき神をなぜ封印できたのか。
これには諸説あるようです。
- 健葉槌命は武神だった
- 織物に星を織り込んで封印した
などとも言われています。
健葉槌命は、鹿島神宮のご祭神である武甕槌命 (たけみかづちのみこと)と共に常陸国を平定し、日本民族を一つにまとめ上げた日本建国の神様です。
健葉槌命は「武刃槌命」とも記される説もあって、この漢字だとめちゃくちゃ強そうですよね。
武甕槌命よりも強かったのかもしれませんよ!
織物の神様だけど女は強し!今で言うギャップ萌か?
甕星香々背男の荒魂を封じた岩山「宿魂石」が大甕神社には実在していて、しかもその岩を登って本殿へ行くという珍しい場所です!
大甕神社の御本殿
登ったところに見えてくるのが小さな御社。それが本殿です。
御祭神の健葉槌命が祀られています。
宿魂石の上に本殿が鎮座。
尻に敷かれているのかも。なんて考えたりするとなんだか面白い場所です。
御本殿の裏側にあった白い石。(これは何でしょうか?わからない…。)
本殿をお参りしたら、登ってきた道とは反対側を降りていきます。
甕星香々背男社(甕星神社)
儀式殿登ってきた道と別の道を進んでいくと、ここには甕星香々背男が祀られている「甕星香々背男社・甕星神社(みかぼしじんじゃ)」があります。
五芒星の扁額が素敵です。
鹿島と香取の二神が抑えられなかった悪しき神様、甕星香々背男を、地主神として祀られている社があるのもこの神社の特徴ですね。
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写真に収めてくるのを忘れましたが、屋根に★星のマークもなんか良くないですか?
(横からも見てみてください!)
拝殿よりも大きい儀式殿の近くにもう1つ鳥居があります。
大通り沿いから来るとこの鳥居から境内にも入ることができます。(ただし正面の鳥居ではありません。)
こちらが正面のような雰囲気ですが、細い路地の住宅地側から入ると正面の鳥居にたどりつきます。
古事記の天岩戸に登場する長鳴鶏がいる
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授与所の向かい側には鳥小屋があります。「東天紅鶏(とうてんこう)」という種類の鳥です。
この鳥は、詳しい方はご存じかもしれませんが、古事記の天岩戸に登場する長鳴鶏として有名です。
大甕神社の境内樹叢(けいだいじゅそう)
大甕神社は境内の樹叢も見どころではないかと思います。
樹叢は、植生ではなく自生した樹木が密生している林地なんですが、境内の立派な木を見ると癒されませんか?
大甕神社の樹叢は「日立市指定文化財天然記念物第一号」に指定されています。(昭和46年)
大きなものだと幹周が3.5メートルもあるとか!神社の見どころっていろいろありますよね。
樹叢が素晴らしい神社と言えば、ひたちなか市の酒列磯前神社も300mに渡る木々のトンネルのような参道も!
【関連記事】ジブリのような樹叢がパワースポット
そして、神社境内の外にも「久慈浜稲荷神社」と「祖霊殿」という2つのお社があります。
お時間があるときには、こちらへも参拝してみてはいかがでしょうか。
大甕神社の御朱印と月替わり御朱印帳
過去に節分祭のときに参拝して、御朱印をいただいてきました。(タイミング良く豆まきにも参加)
参拝を済ませたら社務所へ行って御朱印をいただきましょう。
大甕神社の御朱印は、神社の印、甕星香々背男の印の2種類あります。
神社の御朱印で神様の名前が書かれるのは珍しいのではないでしょうか。
しかも、星の神様らしい輝くゴールドです!
御朱印集めをされている方は、ぜひ参拝してみてはいかがでしょうか。
2種類ある御朱印の初穂料は各300円。
限定御朱印は?
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大甕神社では、7月7日の七夕限定御朱印が登場します。(書置きのみ)
月替わりの御朱印帳
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大甕神社では毎月御朱印帳のデザインが変わります。
これ、神主さんの手作りなんだそうです。
季節に合わせたデザインは、集めたくなるかも。
大甕神社のお守りとおみくじ
大甕神社のお守りとおみくじについてご紹介します。
甕星守(みかぼしまもり)
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甕星香々背男の荒魂の宿った宿魂石を御内符にした御守が領布されています。
(毎月1日のみ・数量限定)
夜の世界を支配する強い霊力があり、一陽来復のご利益がある御守りです。
金の開運守
金の開運守は、邪気を祓い開運祈願した御守。
(武葉槌命が金の靴で岩を蹴り飛ばしたという故事から由来)
この他、身上安全の御守、勝守といった御守りがあります。
ビッグなおみくじ
「大福みくじ」という大きなおみくじも。
巨大なので棒が出てくるのもやっとな感じ。和気あいあいとおみくじが引けます^^
初穂料:200円
神玉巡拝
大甕神社では「神玉(かみだま)」も領布されています。
神玉巡拝という企画が茨城県北の8つの神社で行われており、それぞれの神社で神玉をいただきすべて集めると願いが叶うと言われています。
大願成就のご利益がある御守りが手に入るのです。
大甕神社は神玉巡拝の神社のうち1番南側に位置するので、神玉集めを始めやすい場所ですよ!
神玉の領布地、料金や期間など詳しくはこちらで紹介しています。
大甕神社へのアクセスと駐車場情報
大甕神社 | |
住所 | 茨城県日立市大みか町6-16-1 |
TEL | 0294-52-2047 |
開門時間 | 24時間 |
御朱印受付時間 | 9:00~17:00 |
駐車場 | 無料 |
アクセス | JR常磐線「大甕駅」より徒歩15分 常磐道日立南太田インターより国道6号線を北に約10分 |
ホームページ | http://omikajinjya.sakura.ne.jp/ |
車でのアクセスも国道6号からちょっと入ったところにあるので分かりやすいはずです。無料の駐車場が用意されています。
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無料の駐車場が用意されていますが、初詣などの混雑時には臨時駐車場も開設されています。
大甕神社から車で約5分(2㎞)くらいのところにも由緒ある神社があるので、一緒に参拝してみてはいかがでしょうか。
日立市最古の「泉神社」もおすすめ
大甕神社から1.8㎞のところにある日立市の「泉神社」です。
ここは紀元前に鎮祀したと伝えられる由緒ある神社で(日立市では最も古いらしい)、境内には県指定文化財になっている森、平成の名水百選に選ばれた泉があります。
境内の美しい泉は常に底から絶えずボコボコと水が湧き出ています。
「浄化作用」があると言われ知る人ぞ知るパワースポットです。
泉神社 | |
住所 | 〒316-0024 茨城県日立市水木町2丁目22−1 |
TEL | 0294-52-4225 |
ホームページ | https://izumi-jinjya.com/ |
御岩神社(日立市)もおすすめ!
大甕神社と同じ日立市内には、188柱の神様が祀られ、全てのご利益があると言われている「御岩神社」も最強のパワースポットとして有名です。
距離は約20㎞くらいで、車なら30分くらいでアクセスすることができます。
奥宮のかびれ神宮には、御岩山を登って行くので自然や空気を楽しんで登山感覚で参拝することができます。
行かれるならぜひ歩きやすい服装と靴で行きましょう。
御岩神社 | |
住所 | 茨城県日立市入四間町752 |
TEL | 0294-21-8445 |
この他、茨城県内のパワースポット、日立市内の観光スポット情報はこちらで紹介しています。
まとめ
日立市の歴史ある「大甕神社」は、普段から人で賑わう感じではないので、とてもゆっくりと参拝することができます。
ロッククライミング的な参拝ってあまり無いですよね。
泉神社、御岩神社にしても、茨城県のパワースポットは自然と直接触れ合えるとこをも魅力です。
ぜひ、大甕神社で神話の世界を体感してみてくださいね。
なんかちょっと「君の名は。」をまた久しぶりに見たくなりました。