今回御朱印めぐりをしてきたのは茨城県水戸市の「水戸八幡宮(みとはちまんぐう)」です。
実は歴史ある場所で、本殿は国の重要文化財に指定されていたり、地元では6月、7月になるとアジサイの名所としても知られています。
子育てや安産のご利益で知られていますが、戌亥年の守護神としても信仰されています。
御朱印やお守りの情報をはじめ、参拝してきた境内の情報を含めてご紹介します。
水戸八幡宮(水戸市)八幡さまで親しまれる水戸藩主代々の崇敬社
水戸藩主たちの崇敬を集めた茨城県水戸市にある水戸八幡宮(みとはちまんぐう)。
(正式には八幡宮だそうです)
- 創建:1592年
- 社格:旧社格県社
- 御祭神:誉田別尊、息長足日売尊、姫大神
- 御利益:厄除、商売繁昌、家内安全、安産子育、病気平癒、交通安全、戌亥歳守護、入試合格など
- 例大祭日:4月15日
- 文化財:御本殿
何気に本殿が国指定重要文化財になっていたりと歴史ある場所。6月・7月はアジサイの名所としても知られています。
さっそくですが、水戸八幡宮へ参拝し、御朱印をいただいてきました。御朱印の種類など紹介します。
水戸八幡宮の御朱印
令和2年(2020年)8月3日参拝時にいただいた御朱印です。
八幡宮の御朱印には御神木であるイチョウの葉の印と公孫樹の歌が描かれています。あじさいの見頃時期には、イチョウではなく紫陽花の模様に。
御朱印の種類
御朱印の種類は、水戸八幡宮の御朱印と境内社の天満天神宮の2種類。天神様の御朱印は合格小僧の印が。
また、1月1日から中旬までの期間はお正月限定御朱印が登場します。
例年、三が日の参拝者数は20万人もの人が初詣に訪れている水戸でも人気のスポット。茨城県内でも5番目に参拝者が多いところですよ。
御朱印は社務所にていただくことができます。
御朱印受付時間 | 8:30~16:00 |
初穂料 | 各300円 |
水戸八幡宮のお守り
御守りは戌年なので迷わず「戌年御守」をいただいてきました。
戌年、亥年の方は守護神のお守りがいただけます。
お正月限定のものでは「幸せ呼ぶ羽守り」も。幸福を呼び込むと伝えられています。
子ども向けのおみくじや「きかんしゃトーマス」のお守りがありました!可愛らしいお守りがあるんですね。これなら小さいお子さまも喜びそう。
水戸八幡宮の御由緒とご利益
当宮は文禄元年(1592)佐竹義宣公によって創建されました。
義宣公は天正十八年(1590)に水戸城主の江戸氏を滅ぼし、翌十九年に常陸太田より水戸に居城を移し、その翌年の文禄元年(1592)に氏神として崇敬していた常陸太田鎮座の馬場八幡宮より、八幡大神を水戸城内に奉斎しました。のち八幡小路(現在の北見町)を聖域と定め、慶長三年(1598)に御本殿(国指定重要文化財)を建立し、水府総鎮守の社と定めました。参考:水戸八幡宮パンフレットより
源氏の流れを汲む戦国大名佐竹義宣公により水府総鎮守として創祀されました。(水府=水戸)
義宣公は54万石の財力と「御大工」と称される百人程の優秀な技術力を持ったお抱え大工集団によって、現在では国指定重要文化財となっている安土桃山時代の様式美を備えた「御本殿」を建立しました。
その4年後、佐竹氏は秋田へ封印。水戸は徳川の所領となり、八幡宮は300石の朱印を得て存続。徳川水戸藩からも尊崇される神社に。
1694年には二代目藩主の徳川光圀公の寺社政策により、那珂西村(現在の城里町那珂西)へ移遷。
三代目藩主綱篠公の時代、1709年に再び水戸へ遷座することになりました。
現在の白幡山神域である水戸に再遷座される際には、白鶴一羽が舞い降りて神域を卜定したと伝わります。
(※水戸八幡宮公式サイト参照)
全国に「八幡宮」はありますが、八幡宮を移動させる際に、鳩が道案内をしたという歴史があるそうなんです!水戸八幡宮では白鶴一羽とされています。
拝殿の神額も八の字が二羽の金鳩に見えるので、よく見てみてくださいね!
水戸八幡宮のご利益
地元では「八幡さま」として親しまれ、子育てや安産のご利益で知られています。
水戸藩主代々の崇敬社であり、八幡様は「戌亥年生まれの守護神」としても信仰されています。
境内社もとても多いので、他にも金運上昇、開運招福、商売繁盛、学業成就、合格祈願、交通安全、厄除け、縁結び、出世開運、武運長久などといったご利益が。
大きな看板が出ているので場所もけっこう分かりやすいところにあります。駐車場も3ヶ所ありました。
水戸八幡宮の社号標には、上部に「国寶」のプレートが貼られています。
左側にはご神木である公孫樹の和歌が刻まれています。
「八幡なる神の社の御葉付の公孫樹の如く千代に榮えん」
鳥居をくぐった先の参道の両側には紫陽花が植えられています。後ほど紹介しますが、あじさいも有名な神社なんですよ。
突き当りを左側へ進むと少々長い参道があります。
蒸し暑い8月の昼間でしたが、やはりこの木陰のある参道を歩くとスッと涼しく感じました。
鳥居のちょっと手前あたりから左側に境内社が並んでいます。鳥居の先には手水舎が(右側)。
随神門から拝殿へ(水戸市指定有形文化財)
玉砂利の参道をまっすぐに進んできたところにある「随神門」です。
墨書によると建立は宝暦7年(1757)とされていますが、随神社が奉納された享保8年(1723)の可能性もあると伝えられています。
切妻造の四脚門には左右に随神社が付属。屋根はこけら葺形銅板葺。
神門には立派な木彫りの龍が。龍の欄間彫刻には彩色の痕跡が残っています。
この時代のものとしては木割も太く、古式を伝える質の良い四脚門ということで随神門の価値が認められ水戸市指定の有形文化財となっています。
拝殿(水戸市指定有形文化財)
神門をくぐり目の前に現れるのが水戸八幡宮の拝殿です。拝殿の周りも広くて綺麗な境内です。
桁行五間、梁間三間、一重、入母屋造、銅板葺(元こけら葺)で、一間の向拝は軒唐破風付、二間四方の幣殿が接続する。
建立は安永4年(1775)、堅牢に組み立てられ建具にいたるまで当初材が良く残り、洗練された意匠を持っている。(平成23年解体保存工事を完工)引用:水戸八幡宮ガイドブック
拝殿の前に狛犬がいたり、おみくじが並んでいました。
拝殿の左側の方へ向かって、境内を散策してみると良いかと思います。
案内板があったのでとても分かりやすく、見どころも見逃さずに回ることができました。
左側へ進むと目の前にはご神木が。
水戸八幡宮の御神木のイチョウ(国指定天然記念物)
御葉付公孫樹(おはつきいちょう)と呼ばれているイチョウの木。国指定天然記念物に指定されている水戸八幡宮のご神木です。
夏は青々とした葉がいっぱいの中、銀杏がたくさんなっていました。
稀に葉先に実が生じたことがあり「御葉付公孫樹」と名付けられたそうです。
イチョウが黄色く色づいたときも本殿をバックに写真が撮れたら素敵でしょうね。
- 国指定天然記念物
- 樹齢:800年
- 樹高:42m
- 幹周:9m
「八幡なる神の社の御葉付の公孫樹のごとく千代に栄えむ」と和歌にも詠まれる公孫樹。
往古、遣唐使が持ち帰った五本の一つと伝えられています。
雌木で多数の実を結ぶが、稀に葉先に実を生じるところから、
この名がついた。
往古、遣唐使が持ち帰った5本の一つと伝えられる。
幾本もの乳根が垂れ下がり、樹勢の雄大風格ある姿は
同種類中全国第一と言われる。
安産、無事成長、延命長寿、縁結びの御霊験あらたかである。引用:水戸八幡宮
樹齢800年という長寿の木。
縁結びのご利益まであるのですね。
秋の紅葉は素晴らしい景観を作り出しています。
戌亥の守護神
ご神木のところには戌神守護と亥神守護が置かれています。
水戸八幡宮は戌亥生まれの守護神でもあるのです。戌亥生まれの方は特に参拝したい場所ではないでしょうか。
戌年生まれなので行かねば!と参拝してきました。毎年来たいですね。
左近の桜
拝殿の近く(左側)には左近の桜があり、こちらは徳川斉昭公がお手植えされたと伝えられています。
拝殿の脇から奥に見えるのが本殿です。
月曜日の昼間に参拝したときにも、けっこう参拝に訪れている方がいらっしゃいました。
水戸八幡宮の本殿(国指定重要文化財)
こちらが拝殿の裏に位置する水戸八幡宮の本殿です。
慶長3年(1598)に水戸城主となった佐竹義宣公により建立された御本殿は、国指定重要文化財です!
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こちらは明治時代のものと思われる水戸八幡宮の本殿の写真です。
建造年代は、内部の羽目板裡に残された墨書などによれば、慶長3年(1598)です。随所に見られる手の込んだ手法には、組物や彫刻などに桃山から江戸初期の時代色と地方色が見られます。
入母屋造、こけら葺き、正面に3間の向拝をもつ、和様・唐様の折衷様式です。
当初、八幡小路(現水戸市北見町)に鎮座され、元禄7年(1694)に那珂西村(現東茨城郡城里町那珂西)に移り、宝永5年(1708)現在の地に移築が完了したことが、墨書・棟束により明らかになっています。
平成7年(1995)から11年(1999)にかけて,全解体修理が行われました。引用:茨城県教育委員会
四百年のときを経た現在も安土桃山時代の荘厳華麗な姿が現存しています。
拝殿・本殿の周りには戌亥だけでなく十二支も置かれています。
境内を散策しながら自分の干支を探してみてくださいね。
水戸八幡宮の境内社と水戸最古「天満天神宮」
水戸八幡宮は境内社がたくさんあります。
武内宿禰神社(荒魂)、武内宿禰神社(和魂)、天満天神社、青麻神社、石尊神社、松尾神社、稲荷神社、水天宮、三島神社、二神宮、金刀比羅神社、三峯神社、淡島神社、随神社
火伏せ神と八幡宮
火伏せの神様として「鎮火之神二神宮」というお社もあります。
「火伏せ神と八幡宮」については「大火を呼ぶ山車」という水戸の民話でも伝えられています。
神馬舎の御神馬像「叶馬」は、夢や希望を叶えるきっかけをもたらすと言われています。
本殿の裏左側に位置する武内宿禰神社・荒魂社。
本殿の右手裏側に位置する武内宿禰神社・和魂社。
武内宿禰神社には、応神天皇や神功皇后に仕えた武内宿禰の荒魂と和魂がそれぞれに祀られています。
こちらは左が「青麻神社(あおまじんじゃ)」と右が「石尊神社」です。
水戸の「天満天神社」
境内社の中でも特に目立っているのが「天満天神社」。水戸最古の天満宮だと言われています。
学問の神様である菅原道真公が祀られた神社です。
受験などを控えている方はお参りするとご利益が得られそうですね。
その隣には稲荷神社の赤い鳥居があります。拝殿は奥へ入ったところにあります。
稲荷神社へも行ったのですが、オーラをまとったようにめちゃくちゃ蚊に囲まれてしまい、蚊に刺され急いで出てきてしまいました…。
夏に行くなら虫よけがあると良いですね。
こんな感じで拝殿の周りを一周することができます。
拝殿と本殿の周りを時計回りに回ってくるとちょうど社務所前に出たので、ここで御朱印とお守りといただくことに。
水戸八幡宮の大ケヤキと茨城百景「烈公御涼所」
参道から脇道に入ることができ、「烈公御涼所」へ行くことができます。ここを歩いて行くと第3駐車場へも抜けます。
「烈公御涼所」は、第9代水戸藩主の徳川斉昭公(常磐神社の御祭神でもある烈公)がお涼みになった場所です。
大ケヤキは圧倒される大きさ。樹齢は約300年。
周りにはモミジもありました。また紫陽花も植えられているので6月・7月はまた違った景色を作っているのでしょう。
徳川斉昭公は、この木蔭から朝日を見たり、那珂川や八溝山地、日光、那須連山などを遠望していたのですね。
景勝地であり、茨城百景の1つとなっています。
水戸八幡宮の祭事
春の例大祭
毎年4月15日に例大祭が行われます。
元禄7年、那珂西(現城里町)へ移築後、宝永4年の水戸へ再遷宮される際の遷宮式が由来している神事です。
「戌亥大祭」とも称され、戌亥年の方がたくさん参拝に訪れているそうです。
夏には「あじさいまつり」、「夏越大祓式」、「水戸黄門まつり神輿渡御」が行われます。
神事 流鏑馬祭
旧8月16日に行われる創建以来の神事「流鏑馬祭」。
神職が騎馬にて的を射て、翌年の稲の豊凶を占う神事です。
水戸藩主上覧の際は「御神馬」「刀」を奉納するのが常でした。昔は関東三流鏑馬と称されていた神事です。
当時は夜月の輝く頃に行われていましたが、現在は旧16日の午後に斎行されている。
水戸八幡宮のあじさいまつり
水戸八幡宮は水戸のあじさいの名所としても知られています。八幡宮の紫陽花は御神花。
参道の途中、左側に山あじさいの森が広がりっています。そこは八幡宮の「山あじさいの小道」。
例年5月下旬から7月中旬にかけて、日本古来の山あじさいを中心にさまざまな品種のあじさいが咲き景色を彩っています。
8月初旬に参拝したときにも少しだけアジサイが咲いていました。外来品種かな?アナベルかな?
水戸八幡宮のあじさいについてはこちらで紹介しています。
大菊花展
毎年10月下旬から11月中旬には、大輪の盆養、福助、小菊の盆栽、特作風景大花壇など1,000鉢以上の菊で境内が彩られます。
【関連記事】茨城県下妻市には関東最古の八幡さま「大宝八幡宮」情報
水戸八幡宮へのアクセスと駐車場
最寄り駅からのアクセス JR「水戸駅」北口より 徒歩35分
▼水戸市内の周遊バスについてはこちら
お車の場合の駐車場ですが、水戸八幡宮には第一駐車場・第二駐車場・第三駐車場が用意されています。
全て無料で利用可能です。
近くへ行くと大きな看板が出ているので分かりやすいですよ。
水戸八幡宮 | |
住所 | 茨城県水戸市八幡町8-54 |
電話番号 | 029-226-8854 |
開門時間 | 24時間 |
御朱印受付時間 | 8:30~16:00 |
駐車場 | 無料 |
公式サイト | 水戸八幡宮 |
※暗いので夜間の参拝は控えましょう。
水戸の神社・寺院めぐりシリーズということで、他のスポットへも足を運んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
水戸八幡宮へ参拝したとき、水戸市内にも歴史ある神社やお寺が意外とあるんだなと改めて知りました。
広い境内には歴史的にも貴重な建物が残されていたり、たくさんの境内社があるなど見どころも多い神社です。
またあじさいやイチョウなど季節によっても参拝が一味違ったものになるので、時期を合わせて訪れてみるのも良いかもしれませんね。