春は新緑、秋は紅葉が素晴らしい渓谷にある北茨城市の神社を紹介します。
花園渓谷、山の中にある「花園神社」です。茨城の北部に来るならおすすめの場所ですよ!
神社は広大な自然に囲まれていることもあり、荘厳な雰囲気が漂う境内。
その空気感は北茨城市の歴史を物語っていて、この土地の神様の存在を感じることができそうな場所です。
また、紅葉や新緑を見に行かれたり、神社へ参拝に行かれる前に、この神社にお祀りしている山王大権現についての不思議な伝説も知っておくとより参拝を楽しむことができます。
今回は、北茨城市の花園神社の歴史や見どころ、境内の様子についてまとめて紹介します。
【花園神社】歴史と景色に一見の価値ある穴場パワースポット(北茨城市)
花園神社があるのは北茨城市の花園渓谷です。
神社に続く道路はけっこう細くて急なカーブも続いているので、お車で来られる際には気を付けてくださいね。
北茨城市は県の最北なので、縦長の茨城県だから遠そうですよね。
実際、都内から1時間で来られる場所ではないので距離はありますが、町の中心には高速道路のICもあり、国道6号も通っていますのでアクセスも悪くありません。
人里離れた場所なので、北茨城ICからは車で約25分ほどかかります。
花園神社の創建・由緒
神社の始まりは795年(延暦14年)。
坂上田村麻呂が奥州へ向かう途中に不思議な夢を見たということで創建したと伝えられています。
坂上田村麻呂は初代征夷大将軍。
忠臣として名高く、桓武天皇の軍事と造作を支えた一人であり、二度にわたり征夷大将軍を勤めて蝦夷征討に功績を残した。引用:wikipedia
当初は神仏習合の霊場でしたが、明治元年の維新政府の宗教政策「神仏分離」によって神社となりました。
花園神社のご祭神
- 大山咋大神(おおやまくい・山王大権現)
- 大山祇大神(おおやまづみ)
- 大物主大神(おおものぬし)
主な御利益には、開運招福、厄除け、疫病除け、試験合格、リフレッシュ、心身壮健、健康長寿などがあります。
花園神社の鳥居
花園神社の前には花園川が流れているため、赤い橋がかけられています。
写真で分かるでしょうか?橋の袂には立派な木が両脇に立っていて、まるで鳥居のような雰囲気がしました。
茨城県北茨城市・新緑の花園神社と花園渓谷にて。
涼しさを求めて、新緑の花園渓谷を訪れました。秋の紅葉シーズンにも訪れたいと思います。#花園渓谷 #北茨城市 #花園神社 #渓谷 #写真好きな人と繫がりたい #風景 #picture #カメラ好きな人と繋がりたい #茨城百景 pic.twitter.com/lsr3olPhAl— 気まぐれのリュウ☆ (@ryuichi_0817) July 9, 2018
神社からさらに登ったとことには清流の水源があるようです。
水の音が聞こえて心地よい気分で橋を渡りながら境内へと進んでいきましょう。
荘厳な境内は、巨大な木々に囲まれています。ちょっと暗くて、緑色の苔がびっしりとあるので雰囲気がありますね。
階段を上がったところに石の鳥居があるのですが、延宝3年(1675年)のものらしいので約350年前に建てられたんですね。
こういった古くに建てられたものを見ると、不思議な気持ちになりませんか?昔の人もこうやって見ていたのかなとか思うと…。
花園神社の楼門
花園神社の最初の見どころですね!
楼門は1792年(寛政4年)に建て替えられたもの。昔は神仏習合の霊場だっただけあり、お寺みたいですね。
楼門と大きいけど可愛らしい顔つきが印象的な仁王像。
勅額には山王大権現と掲げられています。(山王大権現は大山咋大神の別名。)
ここには802年(延暦21年)から明治初期まで平城天皇の勅額がかかげられていました。(1000年以上ってすごいくない?見られるものなら見てみたかった!)
大山咋大神は比叡山の神様。慈覚大師・円仁が、比叡山 山王権現日吉大社の分霊をこの神社に勧請したんだそうです。
山王さまのお使いは猿。
一般的に神社というと狛犬が置かれているのをよく目にしますが、日枝神社の境内には狛犬ではなく「猿」が置かれています。
その理由は日枝神社に掲載されていたので引用します。
猿は、もともと神様と人間のあいだをとりもつ存在として、昔から敬われる存在でした。大山咋神が山の神ということもあり、同じく山の守り神とも呼ばれる猿が使いとして重宝されていたようです。「さる」という音から勝る(まさる)」「魔が去る(まがさる)」とも考えられ、勝運の神や魔除けの神として置かれています。音読みの「えん」という音から、猿が「縁(えん)」を運んできてくれると考え、商売繁盛や縁結びの祈願を受けに来る方も多くいます。引用:日枝神社
山と猿は深い関係があったということですね。そんな関係は花園神社の拝殿でも見ることができます。
花園神社の拝殿・本殿
楼門をくぐって階段をのぼっていくと拝殿が現れます。
1851年(嘉永4年)に再建されています。神楽殿と並んで赤い社が印象的です。
茨城県北茨城市#花園神社 に初参拝してきました。
境内は神秘的な場所がたくさんあり、本殿には三猿が居ます。#全国東照宮#御朱印 pic.twitter.com/FNgv6GFvik— ちびまー (@masa6614) April 13, 2019
社殿の屋根には、金色のサルの面があります。
正面と左右にもあります。この猿は「魔が去る」という魔除けの意味があるようです。
右の鬼の面はご本殿のものです。
拝殿の裏に階段があり、そこから本殿に行くことができます。気付かず拝殿だけ参拝して帰られる方も多いそうなので、忘れずにご本殿へも足を運びましょう。
ご祭神を祀る本殿です。
天保3年(1832年)に再建されました。
こちらの本殿の屋根にも正面に猿の面。しかし左右には猿ではなく鬼の面がありました。
見ざる、言わざる、聞かざるの三猿。日光東照宮にあるものと同じかな?
徳川家康を御祭神とする日光東照宮。花園神社と何か関係があるのか?と思ったところつながりがありました。
慶長7年(1602年)、徳川家康が社頭領五十石の朱印を寄進したほか、歴代将軍が同御朱印章書が寄せられた。
徳川幕府とはこのような関係があったのですね。
花園神社は全国東照宮連合会にも加盟しています。(水戸市の水戸東照宮も)
このような歴史があるとは驚きです。
戦勝祈願で坂上田村麻呂や源頼義、義家(八幡太郎)も足を運んでいます。
勝負事の前に戦勝祈願をしに来るのも良いですね!
こちらはご本殿左側だけの写真ですが、両脇に「木製の狛犬」と「神猿像」が置かれています。猿と犬の組み合わせ…犬猿の仲ではないのか?
ちょっと面白い。
とても古い狛犬も残っています。なんとなく顔が分かるかな?という感じでいつのものなのか気になる!
花園神社の境内社
こちらは境内社の「東照宮」。おそらく日光東照宮の末社なのでしょう。
厳島神社
厳島神社には弁天様が祀られています。他にも「三女神」と呼ばれる市杵島姫神(イチキシマヒメノカミ)・田心姫神(タゴリヒメノカミ)・湍津姫君(タギツヒメノカミ)が祀られていました。
こちらの神池には女神が現れたという言い伝えも!
花園神社の御神木「天狗槙(高野槙)」
花園神社には神聖なパワーを授かれるという御神木、古木があります。
御神木の高野槙
拝殿脇にある御神木「高野槙(こうやまき)」
花園神社の中でも特にパワーを強く放っているスポットだそうですよ!
- 樹齢600年以上
- 幹囲4.5m
- 高さは30m
こちらの巨木、別名「天狗槙(てんぐまき)」と呼ばれ親しまれています。
銘木「三本杉」
茨城県北茨城市の #花園神社 。
幹が3つに分かれる「三本杉」や、樹齢600年を超える御神木「天狗慎(てんぐまき)」が、 #パワースポット 。#石尊の滝 が癒されます#写真好きな人と繋がりがたい #神社 #自然風景 #木 #紅葉 #モミジ #滝 pic.twitter.com/6zG1Gz5AW4— mii (@n4xge) October 14, 2017
脇道にご神木ではありませんが、楼門の手前に「三本杉」があります。
- 高さは48m
- 太さ8.5m
- 樹齢700年
県指定文化財の銘木。
地上10メートルのところで三本にわかれているのも特徴です。
三本杉のうち真ん中の木には、大きなこぶのようなものが!珍しい。
お母さんのお腹に赤ちゃんがいるように見えると言われ、子宝や安産のご利益があると言われています。(夫婦円満のご利益もあるとか。)
三本杉は大きさにも驚きますが、三本に分かれている所が高いのもすごいです。
三本杉というと日立市の「御岩神社」も有名ですが、また違う印象ですね。
花園神社の境内には200本もの巨杉があり、樹齢500年を超える古木が立ち並びます。いずれも県の天然記念物に指定されています。
神社の境内や周辺に樹叢(じゅそう)って自生した樹木たちだから、どこか神秘的な感じがあって自然に癒されますよね。
こういった周りに古木とかがたくさんある神社も好きです。
茨城県内だと御岩神社、酒列磯前神社、大甕神社とかですかね。
花園神社の御朱印とお守り情報
花園神社の御朱印。
この御朱印をいただいたのが、ちょうど紅葉時期だったためモミジの絵柄入り。
初穂料 | 300円 |
※初穂料は変更となる可能性がございます。
お守り・神玉
花園神社では「神玉(かみだま)」というものが領布されています。
茨城県北地域の8つの神社で行われている企画で、8つの神玉を集めると願いが叶うと言われている「神玉巡拝」です。神玉を紐でつなげると「大願成就」のお守りに。
8つの神社の中で花園神社は1番北に位置する神社なので、神玉巡拝をスタートされてみたはいかがでしょうか。
【関連記事】日立市の神玉巡拝情報
こちらで神玉巡拝の領布地や期間、料金などについて紹介しています。
花園神社のシャクナゲ
5月のゴールデンウィークあたりになると、花園神社に石楠花(しゃくなげ)が薄紅色の花を咲かせます。
- シャクナゲはツツジ科の常緑灌木
- 見頃時期は4月下旬~5月上旬
かつては花園山一帯に自生し群落を作っていましたが、現在は弁天様の社がある池、七ツ滝の周辺などごく一部に見られます。
花園神社を参拝したあとには、花園渓谷へ向かってみましょう。
新緑や紅葉の時期に限らず、カメラやスマホを持った方が写真を撮影しているくらい景色も良く、空気も良くてリフレッシュできる場所です。
#北茨城 #花園神社 #茨城#花園渓谷 #紅葉 #寫眞倶楽部#写真好きな人と繋がりたい
おはようございます。
紅葉三昧でリフレッシュして、
いってきます٩(ˊᗜˋ*)و
11月21日撮影 pic.twitter.com/FhZ8Ozu6x0— たほちん (@tahochin) November 21, 2017
紅葉の時期も本当に素敵な景色が見られます。
茨城県の紅葉スポットとしても人気な場所なので、秋の茨城観光ならこちらもおすすめですね!
【関連記事】花園渓谷の紅葉まつりについてはこちら
「石尊の滝」の湧き水
石尊(せきそん)の滝でお水取りをしてみます?
花園神社周辺の参道は花園山の麓で湧き水がたくさんあります。
境内には採水場はありませんが、駐車場を出てすぐ花園川に架かる神橋の近くに岩間から湧き水がでていて、ペットボトルに入れて行かれる方も見かけました。
涼やかなパワーを感じるスポットと言われていますよ!
北茨城市の花園神社:アクセスと駐車場
花園神社 | |
住所 | 茨城県北茨城市華川町花園567 |
駐車場 | 無料駐車場・60台あり |
アクセス | 車:常磐自動車道 北茨城ICより車で約25分電 車:JR常磐線「磯原駅」よりタクシー約30分 |
電話番号 | 0293-43-9212(北茨城市観光協会) |
駐車場
神社の最寄り駐車場は、市営駐車場の先にあります。
看板の先を直進すると右側に神社があり、さらに先へ進むと右側に駐車場が見えてきます。
(ライトアップを見に行く場合はこちらがおすすめ)
11月の紅葉まつり時期に開催される神社のライトアップイベントでは、市内の最寄り駅磯原駅から無料バスの運行があります。
参拝後には花園渓谷の滝めぐり
さきほど花園神社の参道にある「石尊の滝」を紹介しましたが、花園渓谷には他にも滝がいくつかあります。
花園渓谷は花園花貫県立自然公園に指定され、県の指定文化財に指定されるスポットも点在します。
七ツ滝
神社の奥へと進んでいくと「七ツ滝」を目指すことができます。
道路は狭いですが車で途中まで行くことができます。(少し広くなったところがあるのでそこに駐車)橋を渡りしばらく進むと鳥居、「七ツ滝・奥の院 入口」とあります。
花園山付近の花園川の浸食によって作られた高さ60mある滝です。
七滝龍神の碑が建立されていますが、たしかに滝が龍のようにも見える場所です。
次に七ツ滝からは車で20分かかりますが、「千猿の滝」へも足を運んでみてはいかがでしょうか。
千猿の滝
「千猿の滝」は花園渓谷の上流部にある猿ヶ城渓谷の滝。
この他に与四郎の滝、落雲の滝、箱滝があり、趣の異なった滝巡りができますよ!
亀谷地湿原
亀谷地湿原では、新緑の時期にミズバショウを見ることができます。テラスで可憐で美しい花を見るのもおすすめです。
花園渓谷 | |
住所 | 北茨城市華川町花園 |
駐車場 | 60台(花園市営駐車場) |
入場料 | 無料 |
アクセス | 車:常磐自動車道 北茨城ICより車で約30分 電車:JR常磐線「磯原駅」よりタクシー約35分 |
まとめ
北茨城市の花園神社は山王大権現をお祀りする神社です。由緒や伝説を知ると、山奥に佇む神社には深い歴史があることが分かりました。
また四季折々の景色も素晴らしい場所なので、神社のパワーと自然のパワーで心身ともに涼やかなエネルギーをチャージできそうですよ!